ディストーションやオーバードライブの歪みを作っている回路部分になります。
ダイオードクリップ回路と言われています。
ほとんどダイオードで制限電圧を設定しています。
本来はICなどの機器を壊さないように電圧を規制させる回路に用いられますが、
ギターの場合は回路を矩形波にしてしまい、かっこいい歪んだディストーションへと変化させているのです。
ダイオードの設置の方法や種類を変えることで音に大きく影響をもたらします。
モディファイメーカーは必ずオリジナルメーカーの個々の要素を改造しています。
参考までによく使われるダイオードは、
・ゲルマニウムダイオード
ービンテージ系でよく使われる
・シリコンダイオード
ーVfが大きい
・ショットキーバリアダイオード
ーVfが低いことが特徴
・LED
ー色によってVf値が変わる
いくつかパターンがあるのでご紹介します。
ダイオードクリップ回路1
制限電圧
Vt = GND - Vf (V)
※Vfはダイオードにかかる電圧である 順方向電圧降下
ダイオードクリップ回路2
クリップダイオードの向きが逆
今度は+側が同じ電圧降下でリミットが入っている
ダイオードクリップ回路3
上記の回路を組み合わせた形です。
これはほとんどのディストーションペダルに組み込まれている組み合わせの一つです
両極同じ制限電圧が掛かっています。
ダイオードクリップ回路4
ダイオードを直列に繋いだ場合です。
複数種のダイオードを縦続して接続すれば、それぞれのVfの和が全体のVfになるため様々なduty比を設定できるようになります。
こちらでソフトクリップ(オーバードライブのような甘いサウンド)を設計する事が出来ます。
+側:Vf = Vf1 + Vf2
-側:Vf = Vf3 + Vf4
ダイオードクリップ回路5
非対称ダイオードクリップ回路
クランチ系エフェクターでは非対称のクリップ回路を用います。
真空管のような歪みが得られると言われています。
ダイオードクリップ回路6
ネガティブフィードバック内部に設置されたダイオードクリップ回路
TS系エフェクトやRAT1など古いクランチ系エフェクターによく使用されています。
直列型(ダイオードクリップ4)や非対称型(ダイオードクリップ5)のタイプがあります。
C1は、発信防止用コンデンサです。
増幅回路組み込む事ができる事が特徴です。
ダイオードクリップ回路7
IC保護用で使われる電源を用いたダイオードクリップ回路
予め加える電圧に制限がある時電源とダイオードを用いてリミッター回路を組むことができる。
通す電圧(V)= 電源電圧 + ダイオードVf
なお交流にも使用することが出来る。
電源の精度を出すためにVf値の低いショットキーバリアダイオードを用いると良い。