OPAMP


⬜︎OPAMP(オペアンプ)とは、

オペアンプは正確には「演算増幅器」と言います。

元々アナログコンピュータの設計の為に開発されたICだからです。

アナログコンピュータは微積分方程式等の演算を行うのが得意です。

つまり、理論式から比較的容易に回路を作り事ができる為基本的な使い方を理解すると大抵の回路ができてしまうとっても便利なICです。

 

例えば、 C = A + Bと言う演算はオペアンプ1個と抵抗器3本だけです。AとBとを足す回路とはすなわち、レコーディングなどに使われるミキサーの基本回路です。C = aA + bBのようにすればAとBのバランスを変える事ができます。抵抗の値を変えるだけです。

しかし、現在、アナログコンピュータはあまり使われなくなりデジタルに置き換わってしまいました。

現在、オペアンプの最も活躍する場面はオーディオなどの低周波回路などです。又、最近はビデオ用のオペアンプも一般的になってきました。

 

基本的にトランジスタやFETなどで使用されるような、

バッファーや増幅に用いられます。

またフィルター回路にも使用されることがあります。

 

オペアンプを図示すると下記になり、

データシートをみると必ず表記されています。

基本的にデュアルアンプの場合は上記のようなピン配列になっています。

回路図で示すと左(点線で囲ってある)図に記載している図になります。

 

 

 

 

 

 

 

⬜︎OPAMPの動作

オペアンプを使用する上で必ず知っておかないといけないこととして、

 

・理想オペアンプはゲインが無限大です!!

しかしスピーカーなどの受け取りの耐電圧などのことを考慮した設計を心がけてください。

またよく使うようなゲインの設定を例に出します。

上記はよく増幅回路で使う回路です。

こちらは交流回路の反転増幅回路になります。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

Gain =(R2/R1)はオペアンプの増幅率でオープンループゲイン又は開ループ利得と呼ばれます。

データシートでは、一般的に電圧利得、海外メーカーではGainと表現されます。
オペアンプのオープンループゲインは非常に高く一般的に105倍(100db)等になります。
このままの状態ではゲインが高すぎて実用になりませんからオペアンプは一般的に図のように負帰還をかけて使います。

そしてオペアンプを負帰還かけて使用した場合は、オペアンプの(+)入力と(-)入力は電位差が0Vになります。つまりオペアンプは(+)入力と(-)入力の差が 0Vになるように動作するのです。

この状態をイマジナリショートと呼びます。

このことはオペアンプの基本的原理の一つであり オペアンプが壊れているかどうかの判断のも役立ちます。

 

・オペアンプ自身の入力インピーダンスは非常に高い!

オペアンプの入力インピーダンスは非常に高くMΩオーダーのオペアンプからTΩオーダーのものまでいろいろあります。一般的なオペアンプの回路では オペアンプ自体の入力インピーダンスが問題になることはありませんが微小電圧、微小電流を扱う回路では検討しなければならない項目です。

 

・スルーレート

オペアンプの出力は入力電圧の変化に忠実に応答しないで遅れて変化します。出力の時間当たりの電圧変化率をスルーレートといいます。

スルーレートは交流波形の入力と出力の相似性に影響を与えます

 

 

⬜︎種類について

・汎用オペアンプ

すべてバイポーラトランジスターで構成されています。入力段はPNPトランジスタを使用しています。とにかく様々なメーカが作っているので最も入手しやすいでしょう。又、安価です。高域特性を改善した4559、出力電流を大きくした4556などもあります。

音質的には、使い方にもよりますが少々荒々しいサウンドです。

個人的にですが、4556をよく使います。

 

・オーディオ用オペアンプ

非常にローノイズです。スルーレートが改善されており、高域での波形歪みが少ないです。音質は非常に素直な音がします。中級機CDプレーヤーの最終段にはほとんどこれが使われているようです。ハイゲインを必要としないバッファーなどに使用したいですね。

 

・J-FET入力オペアンプ

J-FET入力のオペアンプはバイポーラトランジスタに比べ入力インピーダンスが非常に高いのが特徴です。但し、温度特性が余り良くありませんがオーディオには問題ありません。ノイズも少々大目です。音質はFET特有の透明感のあるサウンドです。アメリカでは非常にポピュラーです。個人的には好んで使用するオペアンプです。

 

・CMOSオペアンプ

CMOS構造のため大変消費電力が少なく又低電圧で動作させることができるため、電子機械端末のクロックのやり取りをはじめとしたディジタル回路によく使われます。また、Rail-to-Railと言って、電源電圧いっぱいまでの信号が扱えるのが特徴です。

 

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