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クリップ回路の動作原理


今回はダイオードクリップの原理を説明します。

ダイオードクリップって言葉だけでは聞いたことあるけど、

実際に考えたことはなかったりしませんか?

今回はディストーションやオーバードライブの歪みの仕組みに迫っていきたいと思います。

 

歪んでいる音は、

波形で表すとカクカクな矩形波になります。

角が尖っているとハードクリッピング、

角が丸いとソフトクリッピングなんて言います。

歪と一言で表すと奥が深いように聞こえますが、実際にはそんなことはなく、

ダイードの順方向バイアスの特性を使って波形を矩形波に変形させているだけなのです。

 

 

まず、 ダイオードの特性から説明していきます。

ダイオードというものは、

様々な種類がありますが、基本的には半導体です。

P型半導体、N型半導体というものがありまして、

ダイオードとはこの2つの半導体を接合したものなのです。この接合部を「PN接合」と呼ぶことから「PN接合ダイオード」と呼ばれます。

 

P型半導体側をアノード(記号A)、N型半導体側をカソード(記号K)と呼びます。ダイオードは電圧の印加の方向によって、順方向バイアス、逆方向バイアスの二つの使い方があります。

 

順バイアス逆バイアス特性は、

一言で言うのであれば、電流の流れる向きが限定されますよ!ってことです。

 

 

歪に使用されるよなクリップ回路は順方向バイアスの原理を利用します。

 

 

順方向バイアス

 

ダイオードに順方向バイアスを印加したときの特性です。

ダイオードに順方向に電圧を印加したときは0.6V以上の電圧が印加されたとき急激に電流がながれます。0.6V以下ではほとんど流れません。

この流れ始める電圧を「順方向電圧」といいデータシート ではVFの記号で示されています。
このVFはダイオードによって違い凡そ0.5~1.5V程度です。

VFは 温度によっても変化し、また流す電流によっても変化します。

 

 

ダイオードの順方向バイアスを図示すると上記のような指数関数の形状になります。

実際はこんな緩やかでは何のですが、、、

電流が一定値を超えると電圧がかかる仕組みです。

これを逆にしてみると下記になります。

 

電気信号の通過

 

こうみるとわかりやすいですね。

この青い線がリミットになる考えですね。

図示すると下記のようなイメージです。

カットされる領域はGNDとショートされたような状態になります。

 

 

それでは実際に特性データとサインのウェーブを比較してみましょう。

今回は上記ダイオード特性のデータ(全くのオリジナル)に基づき0.15A P-P 1Vの交流波形をダイオードに流した時の波形の様子です。

 

 

青い線がシグナルの波形で、オレンジの線がダイオードリミットの境界線になります。

上記のようにオレンジの線から下側は通電し、オレンジの線から上の値はGNDに落とされてしまう理論になりますので、

これらからも矩形波になるのはわかりますね。

LTSPICEで実験次た結果が下記になります。

 

 

 

こうみると波形が綺麗に揃うことからコンプ感がむにゃむにゃと言われてしまうのも否めない感じがしますね。

しかしギターというのは常に電流は不安定に吐き続けるのでここまで綺麗に揃うことはないです。

ダイオードの特性として温度でVfが変わる特性も持ち合わせています。熱するとVf値は小さくなります。従ってゲインを上げたような音に近く???

熱を使ってVf値をコントロールするのも面白いかもしれませんね。

例えば発熱用ICを隣に置いておいて、ペダルで発熱量をコントロールし歪量をコントロールするなど。 

 

 

 

いかがだったでしょうか?

意外と調べないダイオードリミット回路の紹介でした。

この技術はギターの歪みに使う以外にもセンサー保護の過剰電圧がかからないようにリミット回路として活用されます。たまにセンサーの前に意味不明にダイオードがグランドに落ちている回路がありますがこのような意図があるのです。

 

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