トランジスタではNPN型とPNP型の2種類があります。これらは接合する半導体の組み合わせによって変わってきます。
しかしながら、エフェクター回路では基本的にバッファ回路(増幅回路含む)か、スイッチ回路でしか使用用途がありません。
そこでそこまで複雑なロジックを使用しない、高周波性能に関しても優れていることから基本的にはNPNトランジスタが使用されます。
正直なところ、
NPNの動作回路さえ頭に入れておけば良いのですが、
改めてNPNとPNPの違いについて説明します。
NPNとPNPの使い分け
NPN型トランジスタとPNP型トランジスタは、
電流が流れる方向によって使い分けます。
トランジスタを単純な増幅回路やスイッチング回路に使う場合、エミッタ、コレクタ、ベースの中から一本の電位を固定して使います。
電位を固定する場所によって、「エミッタ接地」「コレクタ接地」「ベース接地」などと言います。
入力信号でスイッチングしたいなら、「エミッタ接地」が一般的です。「トランジスタ」のON/OFFの状態は、ベースとエミッタ間に流れる電流で決まるので、入力をベースに入れる場合、エミッタの電位が決まっているとシンプルだからです。
つまり、エミッタが電源か接地(GND)に繋がっている必要があるので、回路の電源側で制御したいならPNP型トランジスタを使用し、回路の接地側で制御したいならNPN型トランジスタを使用すると考えるといいです。
これを入力段につけてノイズゲートを作っても面白いかもしれませんね。
ある一定以上の電流が流れないとトランジスタをONしない(音が流れない)みたいな、、、
NPN型とPNP型の違いについて
NPN型トランジスタ」も「PNP型トランジスタ」も接続先の回路においてスイッチとして機能しますが、負荷を接続する位置が異なります。
NPN型トランジスタ
エミッタがN型半導体、ベースがP型半導体、コレクタがN型半導体で構成されているトランジスタを「NPN型トランジスタ」と言います。
例えば、ベースとエミッタの間に、ベースが正電圧、エミッタが負電圧か接地電位となるように電圧を加えます。
すると、N型半導体のエミッタにあった自由電子が、ベースに流れ込みます。エミッタから流れた電流を「エミッタ電流」、ベースに流れた電流を「ベース電流」と言います。
電子の一部はP型半導体であるベースの電荷の穴に捉えられて「ベース電流」となりますが、残りの大半はコレクタへと進みます。これを「コレクタ電流」と言います。
ベースは非常に薄く、エミッタからベースに流れ込む電子のほとんどは、「コレクタ電流」になります。
電子の移動ではなく電流で考えると、エミッタを流れる電流は、「ベース電流」と「コレクタ電流」の合計値となります。
※電子の進む方向と電流の方向は逆であるということに注意
ここで、PN接合の半導体の性質として、ベースとエミッタの間の電圧を増やすと「エミッタ電流」が指数関数で増加するという関係があります。
さて、「ベース電流」は無視できるほど小さいので、「エミッタ電流」と「コレクタ電流」はほぼ同じ電流となります。そのため、ベースとエミッタの間の電圧を増やすと、「コレクタ電流」が指数関数で増加します。
これにより、「ベース電流」を入力電流、「コレクタ電流」を出力電流と考えれば、入力電流の変化が出力電流の大きな変化に増幅されていることになります。
PNP型トランジスタ
エミッタがP型半導体、ベースがN型半導体、コレクタがP型半導体で構成されているトランジスタを「PNP型トランジスタ」と言います。「NPN型トランジスタ」とは電荷の正負が逆になっていることがわかります。
ベースが負電圧、エミッタが正電圧となるように電圧を加えます。すると、P型半導体のエミッタから正の電荷がベースに流れ込みます。正の電荷の一部はN型半導体であるベースの電子に捉えられて「ベース電流」となり、残りの大半は「コレクタ電流」となってP型半導体のコレクタになります。
「NPN型トランジスタ」と「PNP型トランジスタ」の基本的な動作に違いはありません。
「NPNトランジスタ」は電荷が自由電子であり、「PNPトランジスタ」は電荷が正であることくらいです。ただし、実際に作製したトランジスタの性能は「PNP型トランジスタ」よりも「NPN型トランジスタ」のほうが良くなります。したがって、高周波性能では一般的には「NPN型トランジスタ」のほうが優れています。
実験したことはないですが、音にも影響ある事が想定されます。
詳しくはこちらをご覧ください