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ピックアップのパワー


ギターやベースのピックアップの出力について説明します。

パワーがなさすぎ

パワーがありすぎと

音色が嫌い

もう少しこうしたいと言う欲望

などからギタリストやベーシストは音の違いがわかる様になると誰しもが考え

ピックアップ沼にハマっていくのです。

 

何を買って良いか悩む、

どの様にピックアップの出力が決まるのかいまだに仕組に興味がある、

人向けに

店員さんや友達に騙されて前に

スペックシートがわかるレベルまで

ここで解説していきたいと思います!

ギターと言う楽器は非常にシンプルに作られています。

これがなかなか電装系が壊れない秘訣です。

韓国製や中国製をはじめ国産およびアメリカ製全然電装系の故障はこれと言って聞きませんよね。

車の様にアメ車は電装系が弱い ワイパーが動かなくなる

とか、、、

 

 

 

 

ピックアップのパワーとは

 

それでは解説します。

まずピックアップと言うものは、

磁石に電線が巻かれたもので、ピックアップ常に貼られている弦が振動すると電気が流れるものです。

 

その性能は、

・磁石の磁力

・磁石の表面積

・コイルの長さ

・コイルの材質

に左右されます。 

 

これらのパラメータは完全に好みの問題なので、

正解はありません。

 

これらを一言で言うと

ピックアップ単体の力というものは抵抗値で決まります。

それではその抵抗値について噛み砕いて説明していきます。

基本的にギターのピックアップというものは

弦がピックアップから離れたり近づいたり、離れたり近づいたりと

いう動きをすることから、

誘導起電力が発生しています。これは微弱な信号ですが、音の正体です。

 

 

 

 

 

電磁誘導

 

コイルの中を通過する磁束の量が変化すると誘導起電力が生じてコイルに電流が流れるという現象でした。

一方、コイルに電流が流れていてその電流に変化があった場合も、磁束の量が変化するので、やはり誘導起電力を生じます。

このようにコイル自身を流れる電流の変化で磁束も変化し、誘導起電力を生み出す作用のことを自己誘導作用といいます。また、この起電力のことを自己誘導起電力といい、その大きさは次の式で表すことができます。

 

E = -N( ΔΦ / Δt )  [V] 

E:誘導起電力[V]

N:巻数

ΔΦ:磁束の増加分[Wb]

Δt:時間[s]

 

ここでのマイナスは磁束変化を妨げる方向を意味しています。

しかしピックアップの場合はただ数値が高い方が出力が高いと理解して頂いて問題ありません。

 

時間をΔt = 1として考えてみても、

磁力の高いもの、コイルの巻数の多いものが高い誘電起電力を有し

ている事がわかります。

従って、ピックアップのパワー(出力)は誘電起電力の大きさに比例することになります。

 

しかしながら、ピックアップのスペックシートは基本的に抵抗値で記載されます。

それではこの誘導起電力は抵抗値で考えた際ピックアップのパワーと抵抗値の関係について考えてみましょう。

 

これはオームの法則で証明することができます。

E = I × R [V]

R = E / I [Ω]

となることから、

発生する電流は一定とし、

(同じ力で弦を弾いたと考え)

誘電起電力E[V]と抵抗R[Ω]の関係も比例関係ということを証明する事が出来ました。

 

 

自分にあったピックアップを見極めるときは

まず、今のギターの抵抗値を知って、

その抵抗値を基準にパワーを上げるか下げるかを考えることが必要となるでしょう。

 

 

 

 

 

 

位相チェックを忘れるな!!

 

※半田つけの際の注意点

一つ

つける前に必ず

位相の確認をしてください!

これがずれていると、ミックスした際にノイズが乗ってしまいます。

 

位相の確認方法は簡単で、

アナログのテスターを用意してください。

マイナス表示ができるディジタルテスターでも良いでしょう。

プラスとマイナスをピックアップの配線に繋ぎ

叩いてみてください

そうするとどちらかに針が触れると思います。

この触れる向きを合わせて取り付ける様にしてください。

 

針の振らせる方向を反転にするときはプラスマイナスを逆にしてつければ大丈夫です。

 

 

 

 

 

 

 

 

ギターボリューム可変抵抗(ポッド)について、

 

ここから少し実践的な内容になります。

ピックアップの特性はピックアップが持つ抵抗値だけでは完結しません。先につながるポッドや配線、シールどが持つインピーダンスやキャパシタの特性にも影響してきます。

本記事では、ギター内部でのピックアップとポッドの関係性について説明します。

ボリュームのポッドとトーンのポッドは回せば回すほど抵抗値が上がるようにセッティングされています。

フルテンの状態とは基本的に抵抗値MAXの意味になります。

500kΩのポッド場合であれば500kΩという事です。

ポッド各々のカーブ特性についてはこちら

ピックアップの回路については、自己インダクタンスをおさらいする必要性があります。

まずはトーン(フィルター)回路は無視して、シンプルなワンボリューム回路で考えてみましょう。

簡易図で示すと下記の様になります。

 

ピックアップはコイルに鉄針が巻かれているものです。

電流(音)が流れる原理についての説明はこちら

ここではシンプルにピックアップが持つ

・自己インダクタンス:L1

・抵抗:R1

とします。

先に繋がれているボリュームポッドはR2とします。

ここでは固定された抵抗として計算を進めていきましょう。

回路的に書けば、下記の様になります。

 

 

合成電圧 E1[V] を求めれば、ポッドとピックアップの関係が見えてきます。

ではまずピックアップに掛る電圧Epを計算します。

Ep = R1 × I [V]

次にかへんていこうに掛る電圧Erを計算します。

Er = R2 × I [V]

 

LR回路の合成の電圧は足し算になりますので、

合成電圧 E 1[V] は、

E1 = ( R1 × I ) + ( R2 × I ) = Ep + Er = E [V]

となります。

 

従ってポッドの抵抗値はピックアップの出力に比例関係であり、かなり重要な役割を担っていることになります。

 

大体ピックアップの形などによって抵抗値って決まってしまっています。

ハムバッカー:500kΩ

シングルコイル:250kΩ

P90:300kΩ

ジャスマスター:1MΩ

アクティブ:25kΩ

と少し調べただけでもこの様にすぐに出てきます。

 

しかし実際のプロの現場ではシングルでも500kΩつけたりだとか、結構人によって様々なセッティングが行われているそうです。

この様に実際に計算して見直してみるとオーソドックスな組み合わせから変更する意味があるというのも理解できますよね。

ピックアップもまだまだ深く追求できそうですね。

 

最後に個人的によくやるピックアップのセッティングを紹介します。

磁力の強いピックアップ程実はサスティーン(音の伸び)を殺すことになります。

磁力及び磁力線は弦の振動を止める方向に働いてしまうのです。

私がもしピックアップを設計するのであれば、

弱めな磁石に太めな配線材でシングルコイルだと6500巻き、ハムだと8500巻きくらいで作ります。

 

 

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