オペアンプの発信ってご存知でしょうか?
検索をしてみると結構難しい事がつらつら書かれており趣味程度で勉強している方にとっては混乱してしまいます。
今回はオペアンプの発信について噛み砕いて説明してみようと思います。
発信とは、何も考えず回路を動作した時音を入れていなくとも、
ふとぶーっとノイズが出る事があるかと思います。
これがオペアンプが発信していることになります。
そこで誰しも経験があるかと思いますが、
発信が起こっている状況で、指で基板を押さえつけるとノイズが消えたりします。
この原因と対策について解説していきます。
オペアンプは、増幅回路やボルテージフォロワで使用されるので基本的にフィードバックで使用されることになります。
それが発信を起こしてしまう要因です。
具体的には
オペアンプから出力されフィードバックしてくるものが常に安定している電位ではない不安定な電位である事が原因です。
これが安定している電位であれば、問題は起こらないでしょう。
常に微妙に変化している電位をフィードバックで返しているために
オペアンプは混乱して発信しているということになります。
それではどの様にして不安定なフィードバックをすれば良いのでしょうか?
答えは簡単です。
基本電気もエネルギーなのです。
エネルギーというものは時間をかければ安定するものなのです。
熱エネルギーにしても
熱力学第0法則にて
物体AとB、BとCがそれぞれ熱平衡ならば、AとCも熱平衡にある
とある様に
これは一定の時間が経てばだんだん周りに合わせてエネルギーが飽和してくるという事を示しています。
つまり電気のエネルギーも同じで、時間を遅延させてやると安定してくるのです。
ここで、回路の話に戻りますが、
フィードバックを遅くしてあげると電位が安定して常に一定の電位がオペアンプにフィードバックされるので、発信がなくなるということになります。
ここでよく発信が起こりやすいのは、増幅ロジックではなくボルテージフォロアの回路である事が多いと言われております。
それは回路に答えがあり、
ボルテージフォロア回路は増幅回路とは異なり、基本的に抵抗も何もつけずに返しているだけなので、フィードバック電流の流れる速度が大きく変わってきます。
ここからもフィードバック電流の速度を遅くするというヒントが隠されていました。
基本的に電子回路では遅延素子というものを使いません。
なのでここに抵抗を入れたり、コンデンサを入れたりする事で、フィードバックを送らさせる事ができ、安定した電位をオペアンプに返す事ができます。
ここで他のエフェクターの回路図を見てみると、
図の様にコンデンサがよく組まれています。
これらの乗数は増幅回路内部に組み込み2段構成で行う場合はフィルタ要素も含んでしまうため音に影響してきます。
ここではローパスフィルターになります。
そのため乗数は120pF- 220pFくらいが良いと思います。
あまり定数を大きくしすぎると、高音域がカットされてしまいます。
上記の様にコンデンサを入れる事が発信対策の一般的な対応です。
ここで発信防止のコンデンサですが、
専門的に言うと、位相補償用のコンデンサと言います。
またこれらは位相を遅らせることにもなりますので、
システム設計を行うときには、少し注意をする必要があります。
エフェクタは一応反応速度第一!!なので、あまり発信防止に頭が入りコンデンサや抵抗の乗数を著しく大きくしすぎることはお勧めできません。
これらも同時に頭に入れて設計をしてみると良いでしょう。