エフェクター のゲインつまみに記載しているdBについて記載します。
ちなみにエフェクターをはじめとしたオーディオ機器の設計にはdB値をイメージしながら作成を進める必要性があります。
-〇〇dBと言われうるさいや静かなど、直感的にわかるレベルは必要ということになります。
dBの説明をする前に大体のdB値を記載しておきます。
騒音と調べるとおおよそのdB値を調べる事が出来ます。
20dB 風がささやく程度の音 木の葉が触れ合う音
50dB 通常の会話
60dB チャイム
80dB 掃除機
90dB 犬の鳴き声 自動車の排気音
100dB 電車の高架下 自動車のクラクション
130dB 飛行機ジェットエンジン
おおよそこの様なイメージです。
こうしてみると心地の良いレベルというのは40~60dBという事になります。
もちろん個人差もありますが。
ここで音の大きさを測るにも音というものにはそもそも、
・音の大きさ(音圧)
・音の高さ(周波数)
・音色(波形)
三要素の組み合わさったものになります。
以前音について音を選択という目線で記事を記載していますが、
今度は音の音圧について記載をします。
音の大きさ
音の強さ(単位W/m 2)、音圧(単位Pa)として表すことがで きます。
しかし、私たちは音の強さ・音圧が 2 倍、4 倍、8 倍...N倍
というように倍増 した場合、それが等間隔で大きくなったと感じる事が出来ます。
これは、ウェーバー・ フェヒナーの法則と言われ、
「感覚量は刺激量の対数に比例する」
とあります。
よって、私たちが感じる音の大 きさの尺度は、一定の基準値に対して何倍であ るかを求めその常用対数を取り表します。また、この値B(ベル)では尺度が粗 過ぎるため、さらに 10 倍した値(音圧の場合は 20 倍)を使用することとし、 dB(デシベル)と表示しています。
音の大きさ(dB) = A × (測りたい音の大きさ)
A
電力ゲインの場合:10×Log10
電圧ゲインの場合:20×Log10
なお、これらは相対単位なので少し注意が必要です。
倍というものは必ず基準があって、その数値を示しているわけなので、
Aに対してB倍あるのBを求めたに過ぎないという事になります。
ここで、dBがどんなものかわかったところで、
dBには多くの種類がいうことを頭に入れておかなければなりません。
所詮dBは相対単位になります。
以下からは絶対単位になるので、
基準を必要とせずそのまま使用することが出来ます。
dB
□dBm(ディービーミリワット)
電力1ミリワット(mW)を基準値とするデシベル(dB)の値で表した単位です。
電波や光ファイバーなどで信号の強さを表すのに用いられる。dBmで表すことで、非常に大きな値から非常に小さな値までを、以下のように少ない桁数の数字で簡便に表すことができます。
0dBm = 1.0mW
という関係になります。
□dBV
音響機器の入出力のレベルの表記などに用いられる電圧の単位であり、1Vを基準(0dBV)としてデシベルで表したものになります。
dBV=20*log10(V)
という関係になります。
なお、Vが小文字になっている「dBv」は異なる単位であるため注意が必要になります。
□dBu
基準の電位が、0.775V = 0dBとしています。民生機器やアンバランス回路の入出力を表すときには、このdBuが使われることが多いです。
dBVはdBuと同様に電圧ベースの測定単位だが、1 Vが基準になっている。マイクロホン感度の表記やコンシューマー機器で使われることが多い。
ボルトの電圧をdBVおよびdBu表記にしたときの差を考えると、
dBu = 20log10(x/0.775)
dBV = 20log10(x/1)
dBu - dBV = {20log10(x/0.775)} - {20log10(x/1)}
dBu - dBV = 2.218
従って、2.2をdBVの値に加えることで、dBuになる事になります。
□dBv
dBuと同じ。
□dBs
dBVと同じ。
□dBW
電力を1ワット(W)を基準値とするデシベル(dB)の値で表した単位です。
0dB = 1W
□dB SPL
SPLというのはSound Pressure Level、要は音圧レベルのことで、音そのものの大きさを表す単位です。
音の大きさという事は空気圧の違いになってくるので、
0dB SPL = 2×10^(-5) N/m2
を基準としています。
また上記の基準は1kHzの音が基準になっています。
上記の式内の基準値に代入することで、基準に対しての音の大きさを求める事が出来ます。
音圧の大きさ(dB) = 20×Log10(測りたい音の大きさ/基準値)
基準値:2×10^(-5) N/m2
また音の大きさを知る時の基準は、
基準値:1×10^(-12) W/m2
になります。
□dBA・dBB・dBC
正確にいうならそれぞれdB SPL A・dB SPL B・dB SPL Cになります。普通は省略してdBA、dBB、dBCと表記します。人間の耳は周波数によって感度が違う上に、どのような音を聞くかによっても周波数ごとに感度が違うという事になります。それでその周波数によって感度が違うのを補正しようとした周波数特性の曲線が決まっており、その曲線がABCの3種類あって、その曲線で補正した音圧レベルの値をそれぞれdBA、dBB、dBCといいます。
ちなみに多くのdB値は人間の耳に対してなので、dBAという事がほとんどになります。また、dBAというのは日本ではJISの規定によって「ホン」という言い方をします。