回路設計を行う際にあまり考えられないのがICの効率ですよね。
実際にオペアンプ(IC)が高効率で稼働している波形の状態って知ってますか?
もし自分が起業して工場を立ち上げた際、従業員や機械は高効率で稼働させたいですよね。
それは設計でも同じことが言えるのではないでしょうか。
ICが最も効率的に稼働している状態について記載してみようと思います。
予測できることとして、ICの稼働状態は大きく分けて下記の3パターンでしょう。
・0Vフラット
・波形を振っている状態
・クリップ状態
では答えの前にまず
皆さんご存知のジュール熱について復習しておきましょう。
ジュール熱について
ジュール熱とは、導体に電流を流すと発生する熱のことです。単位は[J](ジュール)です。
導体=電流をよく通す物体のことです。逆に電流をあまり通さない物体は不導体といいます。
これらのモノは電流を流すと熱くなます。熱くなる原因はジュール熱という熱が発生しているからなのです。
ジュール熱は発生する原因は、、、
電気を流す事は、導体の中に加速した自由電子が通過することになります。
その自由電子は導体内の陽イオンと衝突して陽イオンを激しく振動します。
その振動によって熱エネルギーが発生しているのです。
簡単ですね!
これらは下記のジュール熱の法則で計算することが出来ます。
Q = VIt = I^(2)Rt = (V^(2)/R)t [J]
ジュール熱 : Q [J]
導体を電圧 : V [V]
流れた電流 : I [A]
電流を流した時間 : t [s]
抵抗 : R [Ω]
電力とジュールの関係について
1 [W] は、=1 [A]×1 [V]です。
1 [W] とは、1 [J] の仕事を1 [s] 間でしたときの仕事率のことなのです。
1 [W] =1 [J/s]
つまりQが高ければ高いほど1s間に行える仕事量が多いと言うこととなり、
高効率と考えることができます。
さてOPAMPの話に戻しましょうか。
3つの想定をしましょう。
使用しているのは、CMOSのOPAMPで、レールトゥレールのOPAMPで5Vまで出力できるものとします。
これらは10Ωの抵抗値を持ってるとします。なお周期は全て同じです。
・1つ目 0Vの場合
・2つ目 3Vの正弦波で振っている(出力している)場合
・3つ目 5Vのくけい波で振っている場合
図示すると下記の様になります。
まず、P-P (ピークトゥピーク)について考えてみます。
P-P1 = 0 [V]
P-P2 = 6 [V]
P-P3 = 10 [V]
次にVRMSを考えます。
Vrmsは、Root Mean Squareです。
つまり、実効値となります。
Vrms = (P-P/2) ×(1/√2) [V]
√2 = 1.4で計算します。
Vrms1 = 0 [V]
Vrms2 = 2.14 [V]
Vrms3 = 7.14 [V]
最後に電力を計算してみます
P = E x I = E x E/R [W]
P1 = 0 [W]
P2 = 2.14 × 2.14 / 10 = 0.457 [W]
P3 = 7.14 × 7.14 / 10 = 5.09 [W]
電力 [W]は1sあたりの熱量です。
従って最も効率の良い状態とは、
クリップしている状態が一番効率が良いということになります。
本日は以上です。