音階と言えばドレミファソラシが基本となります。
しかし、アルファベットの音名Aの音はラを指しますね。不思議だと思いませんか?
なぜAがドではないのでしょうか?
そのことについて解説していきます。
答えは、
ラからのABCが名付けられた後にCを中心と定めたから
です。
舞台は11世紀頃の中世ヨーロッパで、
当時普通の男性の出せる最低音は低いソの音だったと言います。
その最低音をγ(ガンマ=G)と呼びました。
そしてその1つ上のラの音から順番にABCと名前を付けて行きました。
すると「γAB“C”DEF」となります。
Cの音が真ん中になるので、Cの音が合唱の際の基準音になった説があります。
11世紀の楽譜はまだ線が4本でした。
そして4本ある線のどれが“ド”かを演奏者に示す必要がありました。
その記号として、Cの形をした「ハ音記号」が考案されました。
こうして西洋音楽はCを中心として発展していきました。
そして楽譜の線が5本まで増えた17世紀後半。
Cを中心として上下に5線を配置する楽譜の書き方が考案されました。
ここまできてようやく、有名なト音記号とヘ音記号が登場するのです。
つまり、まん中のCの5度上であるGの音を示す記号「ト音記号」を上の五線に。
そしてまん中のCから5度下であるFの音を示す「ヘ音記号」を下の五線に。
こうしてできた2段の楽譜が現在ピアノの楽譜で使われる大譜表の起源です。
今ではハ音記号ってちょっとマイナーな感じがありますよね。
でもト音記号やヘ音記号よりもずっと古くからある記号だったんですね。
まとめると、
音名の基準は歌で作られたもので、
Cは「始まりの音」というよりも「まん中の音」として扱われてきたということです。
普段とは逆の発想が必要な記事となりました。