□ディレイについて、
ディレイエフェクトは、現在の時間の音と過去に出した音を同時に出すモジュールです。
あたかもやまびこの様な残響音を得ることが出来ます。
ディレイエフェクトは下記の3つの要素に分けることが出来ます。
・乗算
・加算
・遅延
上記の3つの要素を合わせてディジタルフィルタとも呼びます。
ここで出てくる遅延ですが、
入力された信号(音データ)を特定なサンプルだけ蓄積することが出来るメモリチップの事です。
音データがメモリに入力されると、一時刻間のみ保存され、次の時刻に出力されます。
これをバケツリレーのように音データを受け渡しして連続的に回すことが出来るのです。
どのくらい長く保存できるかはそのメモリに従います。
ディレイエフェクトの値段がかわってくるのもメモリの容量や供給性によって大きく変わってくることでしょう。
例えば、入力が44.1kHzの場合、1秒間に記憶されるデータ量は44100個メモリが必要となってきます。
これらを加味したうえでメモリの容量の設定となってくるでしょう。
□コンプレッサについて、
カッティングギターやベースなどリズム系の人が必ず持っているエフェクトペダルの一つです。
またDTMをやられている方は必ずマキシマイザーなど最後に掛けられると思います。
迫力のある音質を作り出すためには欠かせないエフェクトの一つでもあります。
これは、低音領域ボリュームを相対的に上げて、高音領域のボリュームを相対的に下げ、音を整えるために使用されます。
従って一定間隔でリズムを作るときや、ポップスのように割と聞きやすいような音作りをするときなどに使用します。
コンプレサでは、決められた割合で音を圧縮します。
これをレシオと言います。
レシオを1:2にセットした場合に、閾値を超えた振幅は1/2に圧縮されることになります。
たまにコンプが効いた音だねと言われてしまった場合は音が整っているねと解釈されるといいです。
良い意味だと音が整頓されていてリズムがとりやすい
悪い意味だと音のダイナミクスが無く音楽として美しくない
状況によって判断できれば良いと思います。
□リバーブについて、
ディレイ時間を長くとると本来の音とやまびこ音がそれぞれ分離して聞こえますが、ディレイの遅延時間を少しづつ短くすると、
次第に一つに融合して聞こえてきます。それはまるでコンサートホールやお風呂の残響音のように聞こえます。
その音がリバーブの正体です。
カラオケのエコーも実はこのリバーブの一つの種類と思って下さい。洞窟で反響するようなホールリバーブなど
シチュエーションによっていくつか響きが変わりますので、リバーブもいくつか種類があります。
ちなみにコンサートホールの良し悪しは、残響音の心地よさで決まると言われています。
そのためインパルス(初めに吹いた音のスペクトル)応答は設計現場での第一課題とも言われています。
実際ロック系なギタリストだとあまり空間系エフェクトにお金をかけたくない気持ちもわかります。
まずはお手持ちのディレイペダルで、ディレイの返しパラメータを0に近づけて演奏してみてください。
ディレイを何個も並べている人は、やまびこをやまびこで返す方法もありますが、リバーブとして使用するケースもあるからです。
□コーラスについて、
一度や二度合唱をした経験があると思います。
人の合唱は微妙にピッチがずれてしまうので、理論上通りのハーモニーを作り出すことは出来ないのですが、
それを可能としたのがコーラスエフェクトとなります。
原理としては先ずビブラートに知識が必要になってきます。
ビブラートとは、
音の高さが震えるように聞かせるテクニックとしてまずビブラートがあります。
ビブラートはFM変調と全く同じ原理を使っています。
ディレイの場面で説明した要素の中に、遅延という要素がありました。
ビブラートでは経過時間と遅延時間が全く同じに変化させビブラートを表現しています。
話を戻してコーラスの原理を説明します。
コーラスではビブラートで音の高さのずれた音を本来の音に重ね合わせる原理となっています。
このような処理を行うことで本来の音の高さを中心に音の高さの広がったデータを作りだせるのです。
□ディストーション・オーバードライブについて、
増幅器とは言っても無限大に音が大きくなる事とは限りません。
増幅器に使われるオペアンプやトランジスタの増幅は無限大というように定義されていますが、
我々が使うようなスピーカーや電源では無限大まで音をだすことは出来ないでしょう。
そこで実際に入力にダイナミック規制のある環境下でどんどん音を上げていくと波形が大きくなりますが、
ある程度大きくなってしまうと、だんだん矩形波になっていきます。
そして音がだんだん割れていくと思います。
その割れというのをクリップ、クリッピングト言います。
個々で捕捉ですが、トランシーバーというものがあります。
ラジオ等で使われている周波数帯の電波を使って音声を送信と受信する簡易電話みたいなものです。
トランシーバーの音って結構な確率で割れていますよね。
音的にはあれは通信容量を下げるためにダイナミクスを狭くとり普通に話したくらいの信号でもうクリップしているということになります。
話を戻しますと、
ギターの音はクリップしていた方がカッコいい
これがディストーション、オーバードライブサウンドの始まりです。
ある節ではこれはレッドツェッペリンが最初だと言われています。
ジョン・ボーナムのドラムサウンドが過激すぎたことで、ボーカルがマイクのボリュームを上げる、それにつられてギターもボリュームを上げる
だんだん波形が飽和してしまい、
ギター独特のジャーンという歪んだ音が誕生したとの事でした。
ソフトクリップとハードクリップ
実はクリップの仕方にも2種類あって、
ソフトクリップとハードクリップというのもがあります。
先ずソフトクリップとは、
オーバードライブやクランチなど割とクリーンを少しだけ歪ませるという音を言います。
次にハードクリップとは、ディストーションやアンプできつめな音を作るときの音を言います。
こちらはソフトクリップに比べ倍音成分が多く硬い音が鳴ります。
音を硬くしたいとなると、エッジの効いた波形を目指いして設計すると良いでしょう。
なお、アンプでゲインを稼いでもクリップしてないようであれば、倍音が発生していません。
したがって柔らかい音が出ます。